一流体圧力スワールノズルと二流体JOノズル
[図1]圧力スワールノズルの断面図
一流体圧力スワールノズルは図1aで示した様に渦室を持っています。渦室内で液体を旋回させて速度を持った薄膜状に伸ばし、その運動エネルギーで液体を千切りながら微粒化させます。ジェットエンジン用ノズルは1本当たりの定格燃料流量と制御可能な最小燃料流量の比であるターンダウン比を大きくする事が必要な為に図1b、dの様なDuplexやDual orificeタイプが使用されます。また、図1cは微粒化しきれない液体を戻すタイプのノズルです。何れのタイプも渦室内の旋回速度は液体に掛かる圧力で決まります。0.3~5MPa程度の圧力ですが高ければ高いほど微粒化が促進されるので、高圧ポンプが必要となります。
二流体JOノズルも渦室に似た旋回室を持っていますが、液体を旋回させるのではなく二流体の一方である気体を旋回させます。旋回した気体によってもう一方の流体である液体が旋回させられ、一流体圧力スワールノズルと同様な作用によって微粒化されます。気体は圧縮空気や水蒸気が使用できますが圧力は0.01MPa程度で充分であり、それ以上に上げても渦室内で音速を超えてしまいエネルギーの浪費になるだけです。
これ等の事からJOノズルは初期投資を抑える事と共にランニングコストも抑える事が出来ます。